【母娘フランス旅行記・3】フランス夕刻、シャルルドゴール空港からパリ市内へ。
着陸
まず降りたら、ビジネスクラスの人の後を追って行きます。空港がガラス張りでオシャレだなぁ。
入国手続きを済ませてスマートフォンの電源を入れましたが、機内で予め仕込んでおいたSIMカードは認知されず。母には、「迷子禁止。スマホでラインできるようにする設定終わるまで別行動はナシね」と伝え、そのまま荷物受け取り場所へ。
ビジネスクラスの人たちがどんどん自分の荷物をピックアップして去る中、女性の荷物を片手でグッとピックアップして渡してあげて、驚いていたその女性が反応する前に何もなかったかのように立ち去る男性の姿が。かっこいいですねぇ。
ヨーロッパはレディーファースト社会と聞いたけれども、もはや脊髄反射レベル。素晴らしい通り越して、美しい。
パリの1週間乗り物パス券、ナヴィゴを作りに
無事荷物を受け取った後は、まずナヴィゴを作りに行く事にしていました。ナヴィゴとは1週間乗り放題券のようなもので、一定の条件下では交通費がかなりお得になります。
私たちはシャルル・ド・ゴール空港からロワシーバスというバスでパリ市内に移動する予定で、そのロワシーバスもナヴィゴの利用範囲内。節約もですが、切符を毎回買う手間、財布を出す機会を減らすために今回利用しました。
当時は、空港であれば何人かは同じ目的で同じ行動をする人も多いだろうし、周りの目があれば防犯的にも安心かな、と判断して空港で作る事に。
ターミナル2にあるCDG空港第2 TGV駅のチケット窓口で作れました。
みどりの窓口的な場所が、電車の乗り場を背中にして左側にあります。証明写真を手に持って並んでいる列は皆ナヴィゴ作る人でした。
最初、迷ってしまいかなり母を不安にさせてしまったかもしれませんが、なんとか拙い英語であたふたしながらナヴィゴを2人分作れました。その後母にはけっこうからかわれましたが。勉強してきても、英語はすぐには口から出てこないんじゃー!
あと、実際に作ってみて思ったのですが空港でナヴィゴを作らなくても良かったなと。ターミナル2Eで降りた場合すぐ近くにバス乗り場はありますが、ナヴィゴを作るカウンターは結構離れた場所にあり分かりにくかったため時間がかかりました。
荷物を持って迷う心労や限られた時間や一緒にいる母が不安に思う事を考えれば、バスの片道分は切符で支払っても良かったと思いました。
マダム!マドモアゼル!
マダムって呼ばれてたね、マドモアゼルじゃなくて。まぁもういい歳だもんね(笑)
とか母は言ってやがりましたが、ここはフランスなのです。日本とは違い、若くみられているかどうかよりもきちんとした大人にみられているかという事の方がフランスでは重要らしい。
マドモアゼルには未熟、半人前という意味も含み、成人してもマドモアゼルと呼ばれてしまうのは逆に人生の修行を重ねて発せられる貫禄が不足しているということなのです!堂々マダムと呼ばれて行きましょう!
(フランスで知らない男性にマドモアゼルって呼ばれたら素直に喜べばいいんじゃないかな。ナンパだろうから。)
ロワシーバスに乗ってパリへ
ナヴィゴを購入後、来た道を全て戻って最初に出てきたホールで方向を変えてバス乗り場へ。乗り場は外で、ロワシーバスのマークを目印に進み外に出ましたが、並んでというより待っていたのはおじさん1人。
バスは行ってしまったばかりなのだろうかと思いながら、母に先程の件をからかわれながら待っていると少しずつ乗客が集まり列を作り始めたのでホッとしました。
しばらくすると、車両というかバスが2つくっついたタイプが到着し、母が「どうやって曲がるんだ」とツッコミ。私は日本でも何度か見たことがあるタイプでしたが、確かにあらためてみると運転手さんは後ろの方まで気が回るんだろうかと思ってしまう長さです。
車内はかなり空いていて、私たち以外に5人から10人くらいだったでしょうか。ボックス席に座ると母は一気に疲れた表情になりぼうっと外を見始めました。
「日本車も走ってる」
「高級車でも掃除してない車多いなー」
「タクシーも高級車ある」
「日本と感覚が違うんだろうね」
「ここでは車は単に足なんだろうね」
「車もだけどバスも飛ばしてるねー」
と、車の運転が好きな母はボーっと疲れた顔しながら興味津々な様子。
途中、サクレクール寺院を遠くからですが左手に見ることができました。大きくて高いところにあるので目立ちますね。
その間私はスマートフォンに入れたヨーロッパ用SIMの設定とにらめっこしていました。どうやらWi-Fiがないと設定できないと悟り、私も車窓を眺めることに。
だんだんと道は渋滞にハマり、空は少しずつ曇り日が落ちていきました。バスがゆさゆさ揺れるたびに、道が石畳なんだなーと思いながらパリ市内の街並みを見ていました。
10年経つと変わる価値観
以前来た時(10年以上前)よりも様々な人種の人が多く、細い道では物がたくさん置かれた場所もあり異国チック、(動画や写真で)他の国で見たきがする的な雰囲気を漂わせた道もありました。
ある時赤信号でバスが止まっている間、位置的に服飾関係のお店の中が見えました。そこにはお客さんがたまたまいなく、店員さん同士が楽しそうな雰囲気でおしゃべりし笑い合っていました。そしてその店員さんたちは多人種。
今まで、フランスと言うと人種差別的なイメージがありました。これは申し訳ないのですが、フランス旅行に行った人から聞く話がどれもこれもで。
しかし、目の前に広がるのは全くの逆の世界。ちなみに先程のお話で、空港で荷物を黙って持ち上げてくれた骨髄反射紳士はヨーロピアンの方で、マダムはアフリカンの方でした。(ちなみに旅行記・2でとびきりスマイルをくれた人でした)
パリに到着
やっとバス停オペラ座に到着。オペラ座の周りを囲うような配置で道があるため私は方向感覚を失ってしばらく地図と睨めっこしてしまいました。母も不安と苛立ちを隠せずいましたが、何とか道を探し出し、ホテルに向かうのでした。
日本人街で比較的大きな通りを通っていく予定でしたが、その道が工事中でした。うーん通りづらい。スーツケースを縦にして進みました。
なんとかホテルに到着。Googleアースで道を実際に確認できる時代なので、次回は見てから来ます。とりあえず明るい声でボンジュール!でホテルのドアをくぐります。
出迎えてくれたのはフレンドリーな金髪のお姉さん。名前を告げると、
2ベッドの件で予約しなおしていただいた件、きちんとご用意させていただいておりますのでご安心くださいね。
的なお言葉。色々あって1度キャンセルして別の部屋を予約したので覚えていてくれていたみたい。(海外の2人部屋はベッドの数を確認しましょう!)
ホテルに泊まるので当たり前なんですが、住所書きます。英語で自分の住所は逆から書くので戸惑ってしまい、これで大丈夫ですかとおずおずと提出すると、
「大丈夫よマジ完璧パーフェクトよ!」的な反応をもらえました。ノリノリ系フレンドリーな人です。(好き)
カードキーは2枚もらえました。流石安くはないホテル。多分緊急事態で離れ離れになった時でないと使わないだろうけど。
私達の部屋は5階。フランスでは1階が0階と表記されるので、日本で言う6階でした。(何段昇るって感覚なのだと思う)
室内に入り、まずスマートフォンのインターネット設定をしました。これで離れ離れになってもLINEで連絡を取り合うことができます。
スーパーでお買い物へ
ネット設定ができたら、スーツケースを開けずに、すぐ出発。あまり夜遅くに出歩きたくなかったので、荷解きを後回しにしました。
私達は早速、スーパー「モノプリ」に向かいました。
食料品売り場に着くといきなり現れたのは見切り品コーナー。半額になったエスニック米をしげしげと眺め真剣に検討する母。
「なんで日本でネットでも買えそうな、しかも重たいもの買おうとしてんの、エスニック米って(笑)」
「そうねぇ」
それ以前に、せっかくだから見切り品買わなくても良いでしょっていう(笑)
今回買いに来たのは
「軽めの夕食(食べてみたいもの)」
「明日のおやつ」
「自分用、家族用、現地でしか(ネットでは)買えないお土産」です。
スーパーには、観光地で売っているお土産と全く同じものが売っていることもあるので、気になったら初日で買うことにしていました。観光当日お土産を選ぶ時間も減るし(観光の時間を増やせる)、観光の日の帰りの荷物も減らせるので。
私が前もって作ってきた買い物リストを見ながら商品をカゴにどんどん入れていくと、最初見ているだけの母も自宅用のお土産と思われる品々を選び始めました。
お惣菜コーナー的なところで、売り場を一か所使って寿司コーナーがありました。サラダ巻き的なやつの盛り合わせで日本円で約1,500円とかでした。(買わなかったけど)日本人街の側に立地してることも関係しているんだろうか。
いざお会計へ。前もって動画でセルフレジについて調べていたのでいざやってみるとハプニング発生。動画と違っていたのと、パネル表記がフランス語オンリーであったためそばにいる係りの人を呼ぶことに。
しかし係の人の接客が終わらず、私たちが戸惑っていると並んでいた若いジェントルマンがこちらにきてくれて助け舟を出してくれました。本当感謝だわ…。
ホテルに帰還、軽めの夕食
ホテルに戻った時、フロントで鍵を預けているわけではないのでそのままスルーなのですが何も声をかけないのもあれだなーと言うことで、「ぼ、ぼンにュイ!」(お、おやすみなさい)と言ってみました。
お前それ言ってみたかっただけだろ的な現地語を、変な発音で言ってるアジア人はフロントの人にはウケてもらえたようで笑顔で手を振り返してもらえました(苦笑)上手さよりも気持ちよね。
先程買ってきたチーズやヨーグルト、プチトマトや洋菓子を広げました。母は乳製品が好きでそればかり食べていた印象でしたが、タンパク質取れてるので良しとしました。とにかく味が濃くて、ヨーグルトもなんだかずっしり。4個くっついているダノン的なヨーグルトも、1食に1個以上とか日本のでは食べられてもこっちのは無理なボリュームです。(本来そういうものなのだろうけれども。母は味の違いを見たかったのか一食で2つ以上食べてました。)
カマンベールチーズを買いましたが、多くの商品が薄い木でできた箱に入っています。お値段は2〜3€でした。味が濃く満足度も高く結果的に毎日少しずつ3日かけて食べました。
プチトマトも野菜食べなきゃねということで買いましたが、季節外れの野菜だし何気なく買って期待していなかっただけに美味しさに驚きました。流石農業大国、味の濃さがやはり違いました。BIO(オーガニック)ということもあってか、とにかく「トマト」の味なのです。
ホテルの部屋で停電事件を起こす
食後、母にお風呂に入ってもらっている間に私は日本から持ってきたプラグをタコ足配線していました。様々な電化製品があるのはありがたかったのですが自由に使えるコンセントが1つしかなかったためです。
事前に調べ、コンセント以外は日本のものも使えると持ってきていざ二股にしようとしたところ…。
ポン!
という音、手元での一瞬の火花、あたりは暗がりに。
「ちょっとー!」とお風呂から母の声。
どうやらショートしてしまったらしい。とりあえずライトをオンしたスマホをお風呂に設置して、1階のフロントへ。
私がおろおろしながらフロントへ行くと、「(電気のことでしょ?)」と、もう既に復旧作業に取り掛かっていてくれていました。ホント申し訳なかった。停電は私達の部屋のみで発生していたのは不幸中の幸いでした。
ことの始まりから30分もしないうちに電気が復旧。夜遅くに修理対応していただき本当に感謝です。(翌朝直してくれた方がフロントにいたのであらためて謝り感謝の気持ちを伝えました。表情はお疲れでしたが微笑んでもらえました。ホッ。夜勤お疲れ様です。)
原因ですが、私が家から持ってきた二股コンセントが、雷サージコンセントだったからではないかと思います。後から冷静に考えると、電圧が日本よりも高くて、Cプラグ+日本の延長コード+二股(雷サージ)コンセントとか、嫌な予感しかしないですね。今度から持っていくなら余計なパーツは使わず、シンプルに使うか専用のものを用意しようと思います。トホホ
結局今回の旅は1か所のコンセントから2人で交代にスマホ充電しました。
翌日はモンサンミッシェルツアー。朝早いので、早く寝ようと思っていましたが夜遅くなってしまいました。結局消灯しても母も私もなかなか寝付けず、たまに会話したりしていました。そういえば、母と2人だけで外泊なんて初めてでした。